「用地ブギウギ」(用地職員奮闘物語)
作詞・作曲・編曲・演奏 園田鉄美
1 立木調査で蚊に刺され (チクチクカイカイ チクチクカイカイ)
現場立ち合いで肥たごに (うっかりはまって うっかりはまって)
補償積算何のその ハンコを貰えば報われる
※そうだそうだよ全くだ
YOUTI(ワイオーユーティアイ) それが用地!
2 平方メートル示しても (ヘイベイヘイベイ ヘイベイヘイベイ)
土地は何坪 坪いくら (ひと坪ふた坪 ひと坪ふた坪)
電卓片手に換算し 尺貫法が生きている
※(繰り返し)
3 話にならんと怒鳴られて (あったまキタキタ あったまキタキタ)
帰る夜道に氷雨降る (シトシトピッチャン シトシトピッチャン)
何の因果かこの仕事 ネオンの街にくだをまく
※(繰り返し)
〜間 奏〜
日本国憲法第29条第1項
財産権は、これを侵してはならない。
4 交渉山場にさしかかり (天王山だよ 天王山だよ)
できることならあと少し (一・十・百・千 一・十・百・千)
上げてやりたいものだけど 補償基準がままならぬ
※(繰り返し)
5 未契約だよ繰り越しの (大変大変 大変大変)
艱難辛苦に紆余曲折 (ハラハラドキドキ ハラハラドキドキ)
わらにすがって願掛けて 契約調印こぎつけた
※(繰り返し)
6 契約できても油断せず (抜かるな新人 抜かるな新人)
履行確認 登記など (イロイロアルアル イロイロアルアル)
次から次へと難問が 休む間もなく訪れる
※(繰り返し)
〜間 奏〜
憲法第29条第2項
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
7 今日も夜間の交渉日 (今夜もマタマタ 今夜もマタマタ)
可愛い我が子は寝たろかな (スヤスヤ眠眠 スヤスヤ眠眠)
家族団らんのひとときは 残業手当にゃ代えられぬ
※(繰り返し)
8 俺とお前は弥次喜多の (ドタバタドタバタ ドタバタドタバタ)
ボケと突っ込み良かコンビ (くされ縁だよ くされ縁だよ)
用地交渉の泣き笑い 貰った契約五万件
※(繰り返し)
9 情を尽くして理を尽くし (ひたすら尽くして ひたすら尽くして)
あらゆる手だて尽くしても (手を代え品代え 手を代え品代え)
なおやむなきは収用を 伝家の宝刀七光り
※(繰り返し)
〜間 奏〜
憲法第29条第3項
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
10 道路に河川に港湾と (何でんかんでん 何でんかんでん)
どんな立派な計画も (公共事業さ 公共事業さ)
用地出来なきゃ絵空事 おいらが事業のキーマンさ
そうだそうだよ全くだ
YOUTI YOUTI YOUTI
この歌は、県の用地職員としての二十年間の喜怒哀楽を歌にしたもの。
用地職員というと、昔から列島改造の先兵としての役割を担わされ、住民からは、悪徳不動産屋のようにみられることも少なくなく、事実小生も、口では言えないような体験をしたことも一度や二度ではない。
だがその割には、県職員の中でも3K職場の一つに数えられ、用地職員が評価されることは少なかったように思う。まさに公共事業を陰で支えているのだと思う。
よくぞ用地職員の思いを歌ってくれたと、当時の県の用地職員幹部のお墨付きで、県下用地職員研修会でこの歌がテープで流され、歌詞が配られたこともある。
また、知人の音楽愛好家O氏がK市の用地買収・家屋移転の対象になったとき、この歌が縁で、K市の用地職員との話し合いがトントンと進み、家屋の移転が円満に解決したらしい。ウソのようなホントの話だ。
2001年6月に開催された小生のオリジナルコンサートには、長崎土木事務所の用地課職員20数名がこの歌を舞台で歌ってもらった。コンサートの最大の見せ場となったことはいうまでもない。
(1999・12・12創作)