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 組曲「有明から」

    作詞・作曲:園田鉄美

    演奏:九州のうたごえ合同合唱団(2003年九州のうたごえ大分祭典での録音)


 この歌は、2002年11月29日〜12月1日にかけて福岡市・北九州市で開催された日本のうたごえ福岡祭典の記念創作曲として、祭典実行委員会からの委嘱により創ったものである。

 創作の動機となったものは、諫早湾の締め切り堤防によって有明海への影響が大きく取りざたされていた時であり、沖縄のジュゴンの海を米軍用の海上空港とする計画も念頭に置いて、環有明あるいは海を通じて世界はつながっているとの発想で創ったものである。

 2002年12月1日福岡サンパレスでの大音楽会のオープニングで、総勢150名で九州のうたごえ合同曲として歌われた。

         

「陽は昇る」      聞いてみる 

暗闇の果てから 朝は訪れる
水平線の彼方 雲をたなびかせ
赤く染めながら 太陽は昇る
ああ 水面は金色に輝き
生命あるものすべてに
やさしく 時を告げる


「豊饒の海」
      聞いてみる 

干潟の海の底は 光と水と大地が
一つに解け合う 生命のゆりかご
草々や虫 貝や魚
鳥やけもの
そして人間たち
幾万年の時を超え
生命の鎖繋ぎ合いながら
生きてきた
豊饒の海


「海に抗う者よ」
      聞いてみる 

海に抗う者は
自らの 生命の創まりと
尊厳をおかす
干潟の海に
コンクリートの杭を打ち込ますな
珊瑚の海を
コンクリートで覆うな
海に抗う者よ
自らの愚かさを知れ



「平和の歌 世界に」
   聞いてみる 

ああ 砕け散る波  うねり うねる波よ
今 七つの海越え  伝えて いのちのうたを
小さなさざ波が  寄せては返し  つなぎあい

やがて 岩をも砕く  一つの波となる
ああ 砕け散る波よ  ああ うねる波よ
今 七つの海越え  とどけて 平和のうた

世界に 世界に